- Q1.なぜトルシアはJIS化されないのか?
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建築と土木(橋梁)では規格の内容に違いがあり、それぞれの立場で使用されているので、統一規格にするのは難しいというのが現状です。建築物ではJISのかわりにメーカー毎に国土交通大臣の一般認定を得たものが使えることになっています。

- Q2.高力ボルトのF10T、S10Tの意味は何か?
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現在、建築及び土木に使用されている高力ボルトは、高力六角ボルト(JIS B 1186)とトルシア形高力ボルト(JISU09)との2種類があります。
高力六角ボルトはF10T、トルシア形高力ボルトはS10Tと区分され、これらの記号は、それぞれの機械的性質による等級を表しています。
F10TのFはfor Friction Grip Joints(摩擦接合用)を意味し、10は引張強さ100kgf/mm2=10ton.f/cm2の10、Tはボルトの引張試験による引強さの意である
Tensile Strength のTを表しているのです。
S10TのSはfor Structural Joints(構造用)のSであり、高力六角ボルトと識別できるようにしています。10TはF10Tのそれと同じです。

- Q3.トルシア形高力ボルトが丸頭、座金一枚である理由とは?
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トルシア形高力ボルトは頭部が丸頭であり、締め付けに際しては座金をナット側に一枚使用します。頭部を丸頭にして、丸頭の座面径を高力六角ボルトの座面径より大きくして、受圧面積を大きくし、頭部に座金を使用しなくてもリラクゼーションなどの性能が高力六角ボルトと同等であり、ボルト軸力の確保が十分できることを実験により確認して、国土交通大臣の認定を得ていますので、法的にも頭側に座金を使用しなくてもよいのです。
トルシア形高力ボルトの締め付けは、ピンテールに設けた破断溝の破断トルクにより、ボルト軸力を導入するいわゆるトルク法によるものです。従って、ボルトの軸力を安定させるためには、トルク係数値を安定させる必要があり、このため座金をナット側に一枚使用します。また使用に際してもねじ部にゴミや打痕などでトルク係数値を変動させないよう注意が必要です。

- Q4.溶融亜鉛めっき高力ボルト(F8T)にJISマーク表示がないのはなぜ?
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現在のところ、溶融亜鉛めっき高力ボルトに関するJIS規格がありません。
現在は、めっきした高力ボルトのセットがJIS B1186のF8Tと同等の品質であることの国土交通大臣の特認を得て実用しています。このため、大臣の一般認定を得たメーカーのものでなければ使用できません。
また、めっき高力ボルトの工事には、めっき高力ボルト技術協会が実施する施工管理技術者の有資格者でなければなりません。

- Q5.トルク係数値A、Bの使い分けは?
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トルク係数値A、Bの使い分けは、ナットに施す潤滑処理の有無により行うのが一般的で、Aは潤滑処理あり、Bは潤滑処理なしを指しています。 トルク係数値A(0.110〜0.150)とB(0.150〜0.190)を比較した際、A(トルク係数値を小さくする)の場合は 小さい締め付けトルクで所要の軸力を得ることができます。
特に、ボルトの呼び径が大きくなれば、A、Bの差による締め付けトルクの差は、大きくなるため、締め付け機等の能力を考慮した場合Aの方が有利となるのです。
| (例) |
| M16 |
0.130 (A) |
T1 =240N.m |
[ T2 - T1 =80N.m] |
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0.170 (B) |
T2 =320N.m |
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| M22 |
0.130 (A) |
T1 =650N.m |
[ T2 - T1 =200N.m] |
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0.170 (B) |
T2 =850N.m |
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呼び径が小さいM16径などの場合は、締め付けトルクが小さいため、トルク係数値Aにする必要はなく、ナット回転角法による締め付けの場合は、ボルトに作用するねじり応力を小さくするためにトルク係数値Aの方が望ましいのです。そういったことから一般的に、M16以下はトルク係数値B、M20以上はトルク係数値Aで生産されています。

- Q6.高力ボルトの曲がりに問題は?
- 高力ボルトはJIS
B1186にもJSSU09及び日本道路協会規格にも規定がなく、実用上は鉄骨部材の孔にボルトが挿入できる範囲であれば問題ないと考えられています。