ボルト・ナット・犬くぎ・台形ねじ・高力ボルトに関するよくあるご質問を紹介します。
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よくあるご質問Q&A 高力ボルト(設計編)

高力ボルト(設計編)

Q1.高力ボルトの場合、ボルトがゆるむ心配は?

鋼構造物をボルトによって接合する場合は、高力ボルト及び中ボルトによる接合が認められています。

中ボルトによる接合の場合は、建築基準法施行令により、戻り止めの処置を施すことが義務付けられていますが、高力ボルトにはこの規定がないため、懸念されるのだろうと思います。

そもそも、ボルトのゆるみには2つのタイプがあり、1つはリラクゼーションと呼ばれる、ナットがゆるみ回転をしないまま軸力が減少するものです。この場合の軸力低下分は考慮されており、接合部の許容値が設定されているので、通常の使い方をしていれば問題ありません。

もう1つは、ナットが振動や接合面のずれのくり返しでゆるみ回転を生ずるものですが、規定の締め付け力で締めてあればゆるむ心配はありません。

したがって、高力ボルトの摩擦接合による場合、通常の使用環境で所定の締め付け力があれば高力ボルトのゆるみは考慮する必要はないといえるでしょう。

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Q2.溶接とボルトの併用継手については?

1.許容耐力の考え方
「鋼構造設計規準」では、高力ボルト摩擦接合と溶接とを1つの群に併用する場合、『全応力を溶接で負担しなければならない。但し、高力ボルト接合で溶接より先に施工されるものは、溶接継目と応力を分担させることができる。(゛14.7リベット、ボルト及び高力ボルトと溶接との併用")』とされています。

これは『先に溶接を行うと、溶接熱によって板が曲がり、高力ボルトを締め付けても板に所定の材間圧縮力を与えることができないことがあるために、両者の耐力を加算することはできないが、先に高力ボルトを締め付けた場合には、溶接による板の変形は拘束されるので、両者の許容耐力を加算してもよい。(同解説)』ということになります。なお、フランジを溶接、ウェブを高力ボルト摩擦接合とするような継手は混用継手であり、併用継手とは異なるものです。

2.施工順序
JASS 6鉄骨工事では『高力ボルトと溶接の併用継手の場合は、特記のないかぎり高力ボルトを先に締め付けて溶接を行う』とされています。
溶接を先行すると、部材が溶接熱で変形して、高力ボルトを締め付けても接合面が密着しない場合や、十分な接触圧が得られない場合があります。そのため、溶接に先立って締め付ける必要があるのです。しかし、溶接熱による高力ボルトのゆるみと、溶接熱のひずみによる溶接部と高力ボルトに作用する思わぬ応力を防ぐため、高力ボルトの温度が250℃以下となるように適当に離さなければなりません。

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Q3.摩擦面と外面の塗装についての関係は?

高力ボルトの摩擦接合面は、設計上要求されているすべり係数が確保されるような表面状態でなければなりません。

一般には黒皮を除去した後に、自然発生した赤さび面が基準になっています。また、すべり係数を低下させるので、摩擦面の浮きさび、じんあい、油塗料などの付着は除去しなければなりません。また、摩擦面にはウオッシュプライマーなどの下地処理を含め、塗装を行ってはならないとされています。

一方、添え板外面の塗装は直接すべり係数に影響を及ぼすことはないが、塗料が摩擦面に流れ込むために、すべり係数の低下や、座金が共まわりすることがあるため、ボルトの締め付け後に、塗装を行うことが望ましい。近年は、工事期間中の部材の発錆防止や完成後の防錆上の見地などから、接合部の摩擦面にも塗装などの表面処理を施すことが土木や建築の一部で行われています。

例えば、亜鉛・アルミ合金の溶射や厚膜形無機質ジンクリッチペイント塗装などが挙げられます。いずれの場合もあらかじめ、すべり試験によって所要のすべり係数を得られることが、摩擦面の塗装の前提になっています。

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Q4.接合部がテーパーになっている時の処理については?

溝形鋼やT形鋼のフランジのような互いに平行でない面を締め付ける際、ボルトに曲げが生じます。
そのため、通常 1/20 (約3°)の傾斜を超える場合には、こう配付き座金を使用するなどして補っています。

列ボルトのような場合は、下図のように、こう配付き板を使用したうえに平座金を用います。
(日本建築学会「鉄骨工事指針・工事現場施工編」)より

5° 8°
t1 t2 t1 t2
M16 4.5 3.1 5.9 32 4.5 2.3 6.7 32
M20 4.5 2.8 6.2 40 4.5 1.7 7.3 40
M22 6.0 4.1 7.9 44 6.0 2.9 9.1 44
M24 6.0 3.9 8.1 48 6.0 2.6 9.4 48
こう配付き板

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