当社の非鉄金属への取り組み

2009年より、非鉄金属の加工技術を確立しようと目標を立て、日本チタン協会に入会し
管理者をはじめとしたチタン入門講習等を経て基礎知識を習得させていただきました。

その後、SDC田中(旧 田中)様のお力添えもあり純チタンの加工技術習得を目指して活動を始めました。
当社の得意とする材料径でいきますと、純チタンでも加熱してから鍛造する加工になります。
鉄と同じ考え方で加熱しますと品質確保ができないことが判明してきましたので、様々な文献等を読み漁り加熱温度域や
加工方法等を調べ、実際に現場で作業していくのですが、今まで経験したことの無い加工方法になっている為、
現場の方々には多くの苦労をお願いしながら進めなければなりませんでした。

切断工程・加熱工程・鍛造工程・切削工程・転造工程において、現場では様々な問題点が明確になってきましたが、
問題が発生する度に解決策を考えてくれたことで、順調に試作を重ねていくことができました。

試作を行ってくれている間に、鋸刃耐久数・金型耐久数・切削工具耐久数・転造ダイス耐久数等のデータを収集し、
そのデータを基にして現場の方々と共に考えながら試行錯誤を繰り返した結果、
まだまだ未熟ではありますが、純チタンボルトを完成させ、販売することが可能となりました。

チタン合金への挑戦

次に挑戦した鋼種は、チタン合金(Ti-6Al-4V)になります。(以下チタン合金)
この鋼種にもチタンと名前がついているのですが、純チタンとは全く違う加工方法になっており、
純チタンとは違う苦労が多々ありました。
最初に苦労した点は、当社が熱間鍛造で得意としている材料径ではなかったことです。

当社の加熱方式は、高周波誘導加熱になっており、
材料径が高周波誘導加熱装置にマッチしなければ加熱することができません。
その為、チタン合金の材料径にマッチした加熱装置の設計からスタートしなければなりませんでした。
何とかチタン合金の材料径にマッチした加熱装置が完成し加熱試験を開始していくのですが、
更なる難関として加熱温度域の管理方法を確立していく必要があります。

様々な温度測定機器が存在していますが、高周波誘導加熱に一番適した温度測定機器を選定していくことは容易ではありません。
チタン合金の加熱温度域は、レンジが狭く決められた温度域を超えてしまうと金属組織が変わってしまい製品としての価値が無くなり、
低い温度で加熱し鍛造すると、びっくりするくらい硬く金型が直ぐに破損してしまいます。

純チタンと違い試作を開始する前段階でかなりの検討課題があり、正直気持ちが折れそうになりましたが、
無理難題をお願いしているにも関わらず絶対に諦めないと決め、黙々と作業を進めてくれている
現場の方々からのアドバイスがあり、壁にぶつかっても前進していくことができました。

量産体制の確立

加熱温度の管理方法がある程度確立され鍛造試作を進めていく段階でも、加熱から鍛造に移行させるスピードや
金型の耐久数等に問題が発生してきましたが、今まで熱間鍛造で培ってきていただいているノウハウを存分に生かし、
解決策を検討し実践してくれたことで、チタン合金鍛造に対する様々なデータが蓄積されました。

この貴重なデータを基にしてシビアな温度管理・鍛造までの移行スピード・金型耐久数を考慮した
加圧トン数等の制御可能なマシンを導入して、現場の方々と共に量産体制を構築していきます(2018年に導入)。

量産体制の構築に際し、難加工材用の切断機が先行して導入されます。
チタン合金やインコネル・モネル等の鋼材切断のみでもお引き受けいたしますので、お気軽にお申し付けください。

設備一覧

自動砥石切断機

熱間フォーミングマシン

使用鋼材と強度区分、製造可能範囲について

製造可能範囲(鋼種・非鉄鋼種・製品首下長・鍛造転造範囲)

チタンボルト

大別すると、「純チタン」(JISでは4種類)と「チタン合金」があります。
「純チタン」は、商業的に純度が高いという意味、CommerciallyPure Titaniiumを略してCPチタンとも言われます。
チタン合金には、「耐食性」の向上を主目的としたものと、「機械的な強度」「加工性」の向上を目的としたものに分かれます。

形状・寸法をみる

チタンボルトの特徴

  • 軽くて強度に優れたチタン合金。
  • 耐食性に優れる。
  • 耐熱性に優れる。